こんにちは、ゆうペイです!
この記事は、職人を辞めると決めたけれど、会社にいつ・どう伝えればいいか分からない人に向けた話です。
人手が足りない時期だと、社長や親方の顔を思い浮かべるだけで、言い出しにくくなります。
今辞められたら困る、と言われたらどうしようと、伝える前から気が重くなる人も多いと思います。
心の声
辞めたいと言ったら、引き止められて、なかなか辞めさせてもらえない気がする。

その不安、わかります。
ただ、辞めると伝える手続きには、法律の決まりがあります。
決まりを知っておけば、引き止められても慌てずにすみますし、辞めるときに受け取れるお金や書類も取りこぼしません。
☝️結論から言うと、正社員など期間の決まっていない契約なら、辞めると伝えてから原則2週間で辞められます。会社は無理に止められません。
伝える前に、自分の契約の種類と就業規則を確かめます。
そして、辞める前に、有給休暇をいつ使うかと、最後の給料・建退共の手帳・書類をいつどうやって受け取るかを確かめておきます。
この記事では、職人を辞めると決めた人向けに、
- 辞められる日の決まりと、退職届の出し方
- 引き止められたとき、辞めさせてくれないときの決まり
- 辞める前後の有給休暇と、受け取るお金・書類(最後の給料・建退共・書類)
☝️の3つを、職人の働き方に合わせてお伝えします。
会社に伝える前に、ひと通り読んでおいてください。
まだ次の仕事が決まっていない人は、伝える前に、働きながら転職活動を始めておくと安心です。
👉 転職活動は辞める前?辞めてから?職人が在職中に始めて分かる、自分の値打ち
辞められる日は、契約の種類で変わる
まず、自分の契約が「期間の決まっていない契約」か「期間の決まった契約」かを確かめます。
働き始めるときに会社から渡される書面(労働条件通知書や雇用契約書)には、契約の期間と、辞めるときのことを書くことになっています。
期間の決まっていない契約なら、辞めると伝えてから原則2週間で辞められます。
書面が見つからない人は、会社の事務の人に写しをもらえるか聞いてみてください。
期間の決まった契約で途中で辞めたいときは、まず会社と話して、辞める日を決めます。
会社が認めれば、期間の途中でも、その日に辞められます。
体の具合で働き続けるのがつらい人は、お金の順番を先に確かめておきます。
👉 ケガや病気で職人を辞めるとき、お金はどうなる?傷病手当金と失業保険の順番
辞めることを、何日前に、誰に、どう伝えるか
何日前に:就業規則の日数も確かめる
就業規則に「1か月前までに申し出る」などの決まりがある会社もあります。
守れるなら、その日数に合わせておくと、話がこじれにくくなります。
ただ、期間を大きく延ばしたり、辞めるのに会社の許可が要るとしたりする決まりは、無効とされます。
誰に:人を雇う立場の人に
社長や人事の担当など、人を雇ったり辞めさせたりする立場の人に伝えます。
現場の親方や責任者に話したときも、会社の社長や事務にまで伝わっているかを確かめておきます。
どう伝えるか:退職届を出すと確実
口で伝えるだけでなく、辞める日をはっきり書いた退職届を出しておくと確実です。
似た名前の「退職願」とは、扱いが違います。
📄 例:自分の都合で辞める人の退職届
退職届
このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたします。
令和○年○月○日(出す日)
(自分の名前)
株式会社○○
代表取締役 ○○○○ 様
決まった書き方はありません。
大事なのは、辞める日をはっきり書くことと、控え(コピーや写真)を残し、いつ・誰に渡したかを書きとめておくことです。
会社に決まった用紙があるなら、それを使います。
会社から辞めるように言われて辞める人は、この見本をそのまま写さず、先に相談窓口に相談してください。
辞めた本当の理由と書類の書き方が食い違うと、失業保険の扱いで不利になることがあります。


引き止められたり、辞めさせてくれなかったりしたら
会社は、働く人が辞めるのを無理に止めることはできません。
それでも、人手が足りないときなどは、引き止められることがあります。
よく言われることと、法律の決まりを並べます。
話がこじれたら、都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」に、予約なし・無料で相談できます。
給料を払わない、有給休暇を取らせないなど、労働基準法にかかわることは、労働基準監督署にも相談できます。
👉 近くの総合労働相談コーナーを探す(厚生労働省)
辞める前後の有給休暇と、受け取るお金・書類
有給休暇は、辞める日までに使います。
お金と書類には、辞める日までに受け取るものと、辞めたあとに届くものがあります。
取りこぼさないように、順に確かめます。
有給休暇:辞める日までに使う
残っている有給休暇の日数を、給与明細か会社で確かめます。
有給休暇は辞める日で消えるので、使うなら辞める日までに取ります。
引き継ぎのために辞める日を遅らせてほしいと頼まれても、応じるかどうかは自分で決められます。
最後の給料:急ぐときは請求する
最後の給料は、ふだんの給料日に払われるのが一般的です。
辞めたあと早く受け取りたいときは、請求すれば、会社は7日以内に払うことになっています(額に争いがあるときは、争いのない分)。
建退共:手帳を受け取り、建設業から離れるなら請求する
建設の会社では、給料とは別に、建退共(建設業で働く人の退職金の仕組み)の手帳に、働いた日数分の証紙を貼っていることがあります。
会社が建退共に入っていた人は、辞めるときに共済手帳を必ず受け取ります。
手帳は本人のものなので、会社は渡さないことはできません。
退職金は、会社を辞めただけでは出ません。
建設業の別の会社に移るときは、次の会社も建退共に入っていれば、手帳を引き継いで、続けて掛金を納めてもらえます。
建設業以外の仕事に移るときや仕事をしていないときのほか、独立して事業を始めたとき、建設関係の社員や職員になったとき、けがや病気で仕事ができなくなったとき、満55歳以上になったときも、請求の理由になります。掛けた期間が12か月以上あれば、自分で退職金を請求できます。
自分が当たるかは、建退共の請求の理由を選ぶページで確かめられます。
手帳をなくしたときや、請求のしかたは、建退共の都道府県支部で聞けます。
会社が建退共に入っていたか分からない人は、辞める前に会社に確かめておきます。
書類:受け取るものと、返すもの
- 離職票:失業保険を受け取るときに使う。辞めたあと、会社がハローワークで手続きをして渡すので、受け取りたいと会社に伝え、送り先を確かめておく
- 雇用保険被保険者証:次の会社に雇用保険の番号を伝えるときに使う。会社が預かっていることもあるので、受け取る
- 源泉徴収票:年の途中で辞めたら、会社は辞めた日から1か月以内に渡すことになっている。次の会社か確定申告で使う
- 退職証明書:働いた期間や仕事の内容などを書いた証明書。頼めば会社は出すことになっている
- 返すもの:健康保険の資格確認書(持っている人。家族の分も。使えるのは辞める日まで)、作業着・道具・鍵・車など会社から借りている物
離職票の使い方や、失業保険を受け取る流れは、こちらにまとめています。
👉 職人が辞めたら雇用保険はどうなる?入っているかの確かめ方と、もらえるお金
会社の寮や社宅に住んでいる人は、出る日や片付けも、辞めると伝えるときに一緒に確かめます。
辞める前の住まいと住所の決め方は、こちらにまとめています。
👉 無職だと部屋は借りにくい?職人が辞める前に、住まいと住所を決めておく理由


辞めると伝えてから、辞めたあとまでの順番
②の辞める日をいつにするかは、次の仕事・住まい・最後の給料から決めます。
月末に辞めるか月の途中で辞めるかで変わることも、こちらにまとめています。
👉 退職日はいつがいい?月末か途中か、職人が辞める日の決め方と準備の予定表
辞めたあとの健康保険と年金の切り替えは、入っている保険の種類で変わります。
👉 自分の健康保険はどれ?職人が見分ける4種類と、辞めたら変わること
辞めたあとに届く住民税や保険料が、いつ・いくらになるかは、こちらにまとめています。
👉 退職後の住民税はいつ・いくら払う?職人が辞める前に確かめる税金と保険料
知らないまま辞めると、困ること
辞めると伝える手続きを知らないまま進めると、次のようなことが起きやすくなります。
次の4つは、辞める前に知っておけば、どれも防げます。
☝️困るのは、決まりを知らないまま、相手の言うとおりに進めてしまうときです。
決まりを知っておけば、気まずい話の中でも、受け取るものを取りこぼさずに辞められます。
まとめ:辞めると伝える前に、決まりと受け取るものを確かめよう
😣 決まりを知らずに伝えると
・引き止められて、辞める日がずれる
・有給休暇が消える
・建退共の手帳を受け取り忘れる
😊 決まりを知ってから伝えると
・決めた日に辞められる
・有給休暇を使い切れる
・退職金と書類を受け取れる
- 期間の決まっていない契約なら、伝えてから原則2週間で辞められる。会社は無理に止められない。期間の決まった契約は、途中で辞めるときの条件が、契約の内容や勤めた期間で変わる
- 辞める日を書いた退職届を出し、控えを残す。こじれたら総合労働相談コーナー
- 有給休暇は辞める日までに使い、建退共の手帳と書類を受け取る。建設業以外に移るなら建退共の退職金を請求する
細かい決まりや金額は、これからも変わることがあります。
でも、「伝える前に決まりを知り、受け取るものを取りこぼさない」ことは変わりません。
☝️今日やることは1つだけです。
労働条件通知書か雇用契約書で、契約の期間の欄を見る
あわせて、給与明細で有給休暇の残りの日数も見ておくと、辞める日を決めやすくなります。



辞めると伝えるのは、誰でも気が重いものです。
決まりを知っているだけで、気持ちにも少し余裕ができます。
次の仕事がまだ決まっていない人は、辞めると伝える前に、勤めたまま転職活動を始めておくと安心です。
👉 転職活動は辞める前?辞めてから?職人が在職中に始めて分かる、自分の値打ち
辞める前の準備は7つにまとめているので、できるところから始めてみてください。
👉 辞める前の準備7つを見る
2026年10月時点の公式ページと法律の条文をもとにしています。決まりや金額は変わることがあるので、最新の内容は各窓口で確かめてください。
- 民法(e-Gov法令検索)(627条=期間の定めのない雇用は申入れから2週間で終了/628条=期間を定めた雇用もやむを得ない事由があれば解除できる・その事由が一方の過失によるときは損害賠償)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)(16条=違約金・損害賠償額を予定する契約の禁止/22条=退職時の証明書/23条=請求があれば7日以内に賃金を支払う/137条=1年を超える期間の契約は1年経過後いつでも退職できる〈一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの・14条1項の労働者〈高度の専門的知識等を持つ人・満60歳以上の人〉を除く〉)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」退職、解雇、雇止めなど(使用者は任意退職を強行的に止められない・会社が認めなくても申し入れから原則2週間で終了・期間を大幅に延ばす就業規則や会社の許可を条件とする規定は無効・退職願は会社が承諾するまで撤回できる・退職届の申し入れは承諾後に一方的に撤回できない・確実に辞めるなら退職届・労基法の問題は労働基準監督署/民事的な問題は総合労働相談コーナー)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇(退職日をもって年休の権利は消滅・残りを使い切って辞めたい申請は認めるほかない・退職日を遅らせる打診に応じるかは労働者が決める)
- 沖縄労働局「労働相談事例 年休Q1」(退職期日以降に時季を変更できないので、請求どおり与えなければならない)
- 愛知労働局「年次有給休暇のポイント」問5(退職が予定されている人も退職日までは取得できる・時季変更は退職日までの範囲内でしかできない)
- 厚生労働省「スタートアップ労働条件」退職願の撤回のQ&A(退職願と退職届は厳密に区別されずに使われることもある・辞職は会社に届いた時点で効力が生じ撤回できない・2週間の予告期間)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」退職勧奨後、離職票に自己都合退職と記載されました(離職理由の記載で失業給付の始まる時期が変わる)
- 日本郵便「内容証明は、相手が受け取ったことも証明してくれますか?」(内容証明だけでは受け取ったことは証明できない・配達証明を付ける)
- 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」Q5(離職票は退職後、会社がハローワークに届け出て、会社経由で本人に交付)
- 協会けんぽ石川支部「健康保険証等の返却について」(資格確認書は有効期限内でも退職日まで・家族の分も勤め先へ返す)
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」(20歳以上60歳未満で厚生年金保険に入っていない人が対象・第1号被保険者は退職日の翌日から14日以内・配偶者の扶養に入る人は配偶者の勤め先を通じて手続き)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」採用時にはどのような労働条件が明示されるのでしょうか?(労働契約の期間・退職に関する事項は書面で明示)
- 広島県「労働相談Q&A 8-12 会社を辞めたいのに辞めさせてくれない」(退職に会社の承認は不要・有期契約のやむを得ない理由の例・人事権を持つ人に申し出る・内容証明郵便は最後の手段・会社が認めれば有期でも退職できる)
- 建退共「従業員が退職したとき」(共済手帳は従業員のもので必ず本人に渡す・退職金は建設業界で働かなくなったとき・建設業の他の事業所で働くときは、新しい事業主が加入事業主なら続けて貼ってもらえる)
- 建退共「退職金の請求手続きをしたい(被共済者本人)」(掛金納付が12月以上〈21日を1か月〉・振込は書類受付から1か月ほど)
- 建退共「制度について 8.退職金について」(掛金日額320円から掛けはじめた場合の1年の退職金額・12月以上24月未満は掛金納付額の3〜5割程度)
- 建退共「制度改正のお知らせ(令和8年10月1日から)」(予定運用利回り1.3%→1.5%・掛金日額320円で令和3年10月1日以降に加入・納付し、令和8年10月1日以降に請求事由が発生する場合の5年・10年・20年の退職金額)
- 国税庁 タックスアンサー No.7411(年の中途で退職した方には、退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付)
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(各都道府県労働局・面談か電話・予約不要・無料)


