職人が辞めたら雇用保険はどうなる?入っているかの確かめ方と、もらえるお金

明細のような紙を持って、ひとつ大事なことがあると指を立てるゆうペイ

こんにちは、ゆうペイです!

この記事は、職人を辞めたいけれど、雇用保険のことはよく分からない人に向けた話です。
給料から雇用保険料が引かれているのは、なんとなく知っている。
でも、辞めたら何がもらえるのか、そもそも入っているのかは、はっきりしない。
入るときの手続きを会社がしてくれていると、自分で確かめる機会はあまりありません。

💭

心の声

辞めたら、失業保険ってすぐもらえるんでしょ?

自分から辞めた場合は、すぐには出ません。
しかも、入っていなかったり手続きが遅れたりすると、もらえないこともあるんです。

☝️結論から言うと、辞める前に「雇用保険に入っているか」と「何年入っているか」を確かめてください。
そこが分かれば、辞めたあといつから何日分もらえるかの見当がつきます。
自分で分からないときは、会社に聞いてみてください。

🗣

会社への聞き方(例)

新規入場の書類の雇用保険の欄に、番号の下4桁を書くみたいで。
自分の雇用保険の番号って、分かりますか?

現場の書類の話として聞けば、辞める話をしなくても自然に聞けます。

⏰ 辞める前に確かめておく理由は3つ

⏳

自分から辞めると、お金が出るまで時間がかかる

最初のお金が入るのは申し込みから2か月ほど先なので、その間の生活費が要る

📅

受け取れるのは、辞めた翌日から1年だけ

手続きが遅れると、もらえるはずの日数を全部は受け取れないことがある

🔍

入っていなかったことに、辞めてから気づくことがある

給料から引かれていても、会社が届け出ていないことがある。辞める前なら確かめやすい

この記事では、雇用保険がはっきりしない職人向けに、

  • 雇用保険に入っているかの確かめ方
  • 辞めたらもらえるお金と、出るまでの流れ
  • 次の仕事に移るときの引き継ぎ方

☝️の3つを、順番にお伝えします。
手元に給与明細かスマホを用意して読んでみてください。

※この記事の失業保険の条件や日数は、65歳未満で辞める人向けです。65歳以上の人は、原則として一時金(高年齢求職者給付金)になります。

目次

まず、雇用保険に入っているかを確かめる

会社に雇われていて、週20時間以上、31日以上働く見込みがある人は、本人や会社の気持ちに関係なく、雇用保険に入る決まりです。
一方で、一人親方や会社の社長など、雇われていない人は入れません。

入っているかどうかは、次の4つのどれかで確かめられます。

🔍 雇用保険に入っているかを確かめる場所

🧾

給与明細

引かれているものの中に「雇用保険」の欄があるか

📄

雇用保険被保険者証

入ったときに会社から渡される紙(会社が預かっていることもある)。番号が書いてある

📱

マイナポータル

入っている会社の名前、入った日、番号などが見られる

🏢

ハローワーク

会社がきちんと届け出ているかを本人が問い合わせできる

※マイナポータルで見るには、ハローワークにマイナンバーが届け出てあることが前提です。ハローワークに問い合わせるときは、本人確認の書類を持っていきます。

気をつけたいのは、給料から引かれていても、入っているとは限らないことです。
会社が届け出をしていないこともあるので、辞める前にマイナポータルかハローワークで、入った日まで確かめておくと安心です。

窓口で職員に紙を見せて、雇用保険のことを確かめるゆうペイ

会社員のうちに受けていた、雇用保険の守り

雇用保険は、辞めたときだけのものではありません。
入っているあいだ、次のような守りを受けています。

🛡 雇用保険でもらえるおもなお金

💴

仕事を探すあいだのお金

いわゆる失業保険(基本手当)

🏃

早く次が決まったときのお金

再就職手当(条件あり)

📚

資格の勉強の費用の一部

教育訓練給付。国が指定した講座なら、一般は費用の20%(上限10万円)

👪

育休・介護休業のときのお金

休んでいるあいだの収入を支える

※どれも、雇用保険に入っていた期間などの条件があります(2026年10月時点のハローワークの案内より)。

資格の勉強の費用の一部は、辞めたあとでも、辞めた翌日から原則1年以内に講座を始め、その講座を修了すれば使えます(雇用保険に入っていた期間が3年以上、初めて使う人は1年以上。以前に使った人は、前回から3年以上たっていることも必要です)。
対象は国が指定した講座だけなので、申し込む前に、講座が対象かと自分の条件を確かめます。
また、2025年4月からは、対象の教育訓練を受けると、自分から辞めた場合の1か月の待ちがなくなることがあります。
ほかの業種に移るために資格を取りたい人は、覚えておくと役に立ちます。

ハローワークの職業訓練を受ける人は、条件を満たせば、訓練が終わる日まで失業保険が続きます。
👉 職業訓練を受けると失業保険はどうなる?延長の条件と手当、職人が辞める前に調べること

反対に、会社を辞めて一人親方になると、雇用保険には入れません。
新しくこれらの守りを受けることはできなくなるので、辞める前に入っていた分をどう使うかが大事になります(このあと書きます)。

辞めたらもらえるお金と、出るまでの流れ

辞めたあとに仕事を探すあいだのお金(失業保険)をもらうには、次の2つがそろっている必要があります。

① 入っていた期間

辞める前の2年間に、雇用保険に入っていた月が12か月以上

会社の都合などで辞めた人は、辞める前の1年間に6か月以上でよい。給料の支払いの対象になった日が11日以上ある月を1か月と数える(11日に届かなくても、80時間以上なら数えられる場合がある)。病気やケガなどで30日以上続けて給料が出なかった人は、さかのぼって数える期間を最長4年まで広げられる

② 仕事を探している

働く気持ちと体があり、ハローワークに申し込んで、仕事を探している

病気やケガですぐ働けない人は、受け取れる期間をのばす申請ができる

自分から辞めると、最初のお金は2か月ほど先

辞めたら、会社から届く離職票を持って、ハローワークで申し込みます。
そこから先の流れは、辞めた理由で変わります。

📊 申し込みから最初のお金が入るまで(目安)

会社の都合(倒産・解雇など)で辞めた場合

約1か月 (7日待つ → 最初の認定日 → その約1週間後)

自分から辞めた場合

2か月ほど ← さらに1か月待つ

※ハローワークの案内(2026年10月時点)をもとにした目安です。離職票が届くまでの日数は入っていません。自分から辞めた場合の「さらに1か月」は、2025年4月1日以降に辞めた人の原則で、辞めた日からさかのぼって5年のうちに、正当な理由なく自分から辞めて受け取る資格の決定を受けたことが2回以上ある人などは、3か月になります。

自分から辞めると、最初のお金が入るのは申し込みから2か月ほど先です。
そのあいだの家賃や食費は、辞める前に用意しておく必要があります。

辞めた次の月の家賃に、失業保険が間に合わない。
それを辞めてから知るのでは、困りますよね。

勤めているうちに次の仕事を決めてから辞めれば、この待ちを貯金で過ごさずにすみます。ただし、次の会社の最初の給料日までは貯金で暮らすので、入社日と最初の給料日も確かめておきます。
働きながらの転職活動の進め方は、こちらにまとめています。
👉 転職活動は辞める前?辞めてから?職人が在職中に始めて分かる、自分の値打ち

砂時計とカレンダー、空っぽに近い財布を前に、お金が入るまでを考えるゆうペイ

もらえる日数と、1日あたりの金額

もらえる日数は、雇用保険に入っていた期間と、辞めた理由で決まります。
自分から辞めた場合は、次のとおりです。

雇用保険に入っていた期間自分から辞めた場合の日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日
会社の都合などで辞めた場合は、年齢と期間によって90〜330日になります。障害などで就職が難しいと認められた人は別の日数(150〜360日)です。ハローワーク「基本手当の所定給付日数」(2026年10月時点)より。

1日あたりの金額は、辞める前6か月の給料(年2回のボーナスなど、3か月を超える間隔で払われるものは入らない)をもとにした日額の、およそ50〜80%です(60〜64歳は45〜80%)。
給料が低い人ほど、割合は高くなります。年齢ごとに1日あたりの上限もあります。
自分の金額は、申し込むときにハローワークで計算されます。

辞めた理由で変わる失業保険の条件と待つ期間

同じ「辞める」でも、理由によって条件や待つ期間が変わります。

🧾 辞めた理由で変わる失業保険の条件・待つ期間・日数

自分の意思で辞めた(ケガ・病気なし)

条件:辞める前の2年に12か月以上

お金の対象にならない期間:最初の7日+さらに1か月

日数:90〜150日

ケガ・病気で今の仕事を続けられない(別の仕事ならできる)

条件:辞める前の1年に6か月以上でよい

お金の対象にならない期間:最初の7日だけ(追加の待ちなし)

日数:90〜150日(自分の意思で辞めた場合と同じ)

会社の都合(倒産・解雇など)

条件:辞める前の1年に6か月以上でよい

お金の対象にならない期間:最初の7日だけ(追加の待ちなし)

日数:90〜330日

※振り込みは、どの場合もハローワークで失業の認定を受けたあとです。最初の振り込みは、追加の待ちがない人は申し込みから約1か月後、さらに1か月の待ちがある自分の意思で辞めた人は約2か月後が目安です。どの扱いになるかは、ハローワークが会社と本人の言い分や資料をもとに決めます(会社の言い分だけでは決まりません)。家族の介護など、ほかのやむを得ない理由でも扱いが変わることがあります。2026年10月時点のハローワークの案内より。

💡 ケガや病気でしばらく働けないとき

失業保険は、働ける状態で仕事を探している人のためのお金です。
ケガや病気ですぐに働けないあいだは、もらえません。
30日以上働けないときは、受け取れる期間をのばす申請をしておけば、治ってから申し込めます(もとの1年に、最長3年まで足せる)。

働けないあいだのお金は、失業保険ではなく、健康保険の「傷病手当金」の話になります(出るかは、入っている健康保険しだい)。
名前が似ていますが別のお金で、同じ時期に両方は受け取れません。
👉 ケガや病気で辞めるときのお金の順番を見る

※雇用保険にも「傷病手当」という名前のお金がありますが、失業保険を申し込んだあとに15日以上病気やケガで働けなくなった人向けで、これも別のものです。仕事中や通勤中のケガは労災保険の話になり、辞めても受け取る権利は変わりません。

次の仕事に移るときの引き継ぎ方

辞めたあとの動き方によって、雇用保険の引き継ぎ方が変わります。

🚪 辞めたあとの動き方と雇用保険

A もらわずに次の会社に入る

辞めてから1年以内に次の会社で雇用保険に入れば、前の会社で入っていた期間も足される

失業保険(再就職手当なども含む)をもらうと、それまでの期間は足されない

B もらいながら次の仕事を探す

受け取っているあいだに働いた日は、日払いの仕事や手伝いでも、必ずハローワークに申告する

早く次の仕事が決まると、再就職手当が出る場合がある

C 一人親方として自分で仕事を始める

失業保険は仕事を探している人のためのお金なので、自分で仕事を始めると、その間はもらえない

ただし、仕事や開業の準備に専念し始めた日の翌日から2か月以内に申請すれば、受け取れる期間を最大3年のばせる特例がある(うまくいかずにやめたとき、残りを受け取れる)。事業を30日以上続けることなどが条件で、その事業で再就職手当を受けた人は使えない。専念し始める前に、ハローワークに相談しておくと安心

一人親方などの個人事業主として始める人は、失業保険のほかに健康保険・年金・労災も変わります。
くわしくは、こちらにまとめています。
👉 個人事業主の保険・年金・労災は会社員とどう違う?職人が辞める前に確かめること

次の会社には、雇用保険の番号(雇用保険被保険者証)を伝えます。
健康保険も、辞めたら切り替えが要ります。
健康保険のことは、こちらにまとめています。

👉 自分の健康保険はどれ?職人が見分ける4種類と、辞めたら変わること

知らないまま辞めると、あとから困ること

雇用保険のことを知らないまま辞めると、気づかないうちに次のようなことが起きます。
どれも、辞める前に知っておけば防げます。

😣 知らないまま辞めると起きることと、防ぎ方

① 入っていなかったことを、辞めてから知る

会社が届け出ていないと、失業保険をもらえないことがあります。

✅ 防ぎ方:辞める前にマイナポータルかハローワークで確かめる。給料から引かれていたなら、給与明細を持ってハローワークへ(2年を超えてさかのぼって入れる場合がある)

② 手続きが遅れて、全部はもらえない

受け取れるのは、辞めた翌日から1年のあいだだけです。申し込みが大きく遅れると、もらえるはずの日数が残っていても終わります。

✅ 防ぎ方:離職票が届いたら、早めにハローワークで申し込む。病気やケガで30日以上働けないなら、受け取れる期間をのばす申請をする

③ つなぎの日払いを申告せず、あとで大きく返す

受け取っているあいだに働いた日を申告しないと、不正受給になります。受け取った分を返すうえ、さらにその2倍までの額を払うよう命じられることがあります(いわゆる3倍返し)。

✅ 防ぎ方:日払い・手伝い・内職でも、働いた日は収入がなくても申告する

④ 離職票を待っているうちに、申し込みが遅れる

離職票が届くのを待ち続けていると、そのぶん手続きが遅れ、お金が入るのも遅れます。

✅ 防ぎ方:辞める前に、離職票がいつ届くかを会社に聞いておく。届かないときは待ち続けずにハローワークへ相談する(離職票がなくても、仮の手続きを始められる場合がある)

受け取れる期間には、辞めた翌日から1年という締め切りがあります(もらえる日数が330日・360日の人は少し長い)。
「落ち着いてから手続きしよう」と思っているうちに、日数が減っていくこともあります。

☝️困るのは、入っているかを知らないまま辞めたときと、手続きや申告を後回しにしたときです。
辞める前に確かめて、辞めたら早めにハローワークへ行けば、ほとんどは防げます。

辞める前に確かめておくこと

✅ 辞める前に確かめる4つ

① 入っているか

マイナポータルかハローワークで、入った日まで見る

② 何年入っているか

もらえる日数と、条件の12か月を満たすかが分かる

③ 離職票はいつ届くか

会社に聞いておく

④ お金が入るまでの生活費

自分から辞めるなら、2か月ほどは失業保険なしで暮らせるか

分からないことは、次のところで聞けます。

知りたいこと聞く先
入っているか・入った日会社の事務の人/ハローワーク
もらえる日数・金額・辞めた理由の扱い住んでいる地域のハローワーク
離職票がいつ届くか会社の事務の人

離職票などの書類を会社から受け取る流れや、辞めると伝える手続きは、こちらにまとめています。
👉 退職は何日前に言う?辞めさせてくれないときは?職人が辞めると伝える手続き

お金が入るまでの生活費を考えるときは、今の手取りを正しく知っておくと計算しやすくなります。
給料の比べ方は、こちらにまとめています。

👉 職人の給料が安くて辞めたい人へ。辞める前に手取りを比べよう

😣 確かめずに辞めると

・入っていなかったことを、あとで知る

・お金が入るまでの生活費が足りない

・手続きが遅れて、日数が減る

😊 確かめてから辞めると

・もらえるかどうかが先に分かる

・お金が入るまでの準備ができる

・次の仕事への引き継ぎで損をしない

まとめ:辞める前に雇用保険に入っているかを確かめよう

  • 雇用保険に入っているかは、給与明細・被保険者証・マイナポータル・ハローワークで確かめる。給料から引かれていても、入っているとは限らない
  • 雇用保険には、失業保険のほかにも守りがある。資格の勉強の費用の一部は、辞めてから原則1年以内に始め、その講座を修了すれば使える
  • 失業保険の条件は、辞める前の2年間に12か月以上入っていたこと(会社の都合などなら1年間に6か月以上)と、仕事を探していること
  • 自分から辞めると、最初のお金は申し込みから2か月ほど先。日数は入っていた期間で90〜150日
  • ケガ・病気で今の仕事を続けられずに辞めた場合は、1か月の待ちがなくなることがある。しばらく働けないなら、失業保険は受け取れる期間をのばしておき、働けないあいだは健康保険の傷病手当金の話になる
  • もらわずに1年以内に次の会社に入れば、期間は足される。一人親方として始めるなら、受け取れる期間をのばす特例がある
  • 受け取れるのは辞めた翌日から1年だけ。受け取っているあいだに働いた日は、日払いでも必ず申告する

日数や金額の決まりは、これからも変わっていきます。
でも、「辞める前に、入っているかと何年入っているかを確かめる」という順番は変わりません。

☝️今日やることは1つだけです。
給与明細の「雇用保険」の欄を見て、マイナポータルで入った日を確かめる
入った日が分かれば、辞めたあとにもらえるかどうかの見当がつきます。

辞める前の準備は7つにまとめているので、できるところから始めてみてください。

👉 辞める前の準備7つを見る

🔍 この記事の決まりと数字の出どころ(2026年10月時点)

2026年10月時点の公式ページをもとにしています。雇用保険の決まりや金額は変わることがあるので、最新の内容はハローワークで確かめてください。

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