職人の給料が安くて辞めたい人へ。辞める前に手取りを比べよう

職人の給料、本当に安い?辞める前に、手取りを比べよう。給与明細を手に話しかけるゆうペイ

こんにちは、ゆうペイです!

この記事は、給料に不満があって職人を辞めたいと思っている人に向けた話です。
朝から雨で、現場が中止。
今月これで何日目だろう。
給料日に明細を開いて、思っていたより少ない金額にため息が出る。

💭

心の声

毎日きついのに、給料はこれだけ。
もう職人なんて辞めたい。

その気持ち、わかります。止める気はありません。
ただ、辞める前に1つだけ、やっておいてほしいことがあるんです。

☝️結論から言うと、辞める前に「今の手取り」と「次の仕事の手取り」を同じ物差しで比べてください。
比べてから辞めた人と、比べずに飛び出した人とでは、そのあとが大きく変わります。

この記事では、給料が理由で職人を辞めたい人向けに、

  • 日給と月の手取りがずれる理由
  • 給料以外に比べておきたい条件
  • 辞めたあとの仕事を同じ物差しで比べるやり方

☝️の3つを、辞めていく仲間を隣で見てきた目線でお伝えします。
辞めるか迷っている人も、もう決めている人も、動く前に読んでみてください。

🗺 辞める前の「比べ方」は3ステップ

🧾

① 今の手取りを数える

1年で均して月あたりに直す

🎁

② 給料以外の条件も見る

有給・保険・退職金など

⚖️

③ 次の仕事も同じ物差しで

結果がどっちでも、次の一手がある

目次

給料が理由で辞めたいなら、先に今の手取りを数える

「給料が安い」と感じるとき、何と比べていますか。
職人の場合、比べる相手は求人よりも、人から聞いた話であることが多いです。

👂 よく耳にする「うわさの金額」

あそこの会社は、日給2万出るらしい

← 腕のある人の金額かも?

工場に行ったあいつ、月30万だって

← 引かれる前の金額かも?

人から聞く金額は、何も引かれる前の数字だったり、仕事が多かったいい月の話だったりします。
それと自分の手取りをそのまま比べると、どうしても相手が高く見えます。
隣の芝が青く見える理由の1つは、比べ方がそろっていないことです。

📏 比べる物差しは、1本だけ

1年で均した月あたりの手取り

☔ 雨や仕事がない月も入れる

🧾 引かれたあとの金額で見る

🎁 給料以外の条件は、別に並べる

今の仕事も次の仕事も、この物差し1本で比べます。

📐 物差しの出し方

今の仕事

① 直近12か月の給与明細の「差引支給額(手取り)」を足す

② 賞与があれば、その手取りも足す

③ 合計を12で割る

→ 月あたりの手取り

次の仕事(見込み)

① 求人票で決まっている月給と手当を見る

② 今の明細で「引かれた額 ÷ 総支給」の割合を出し、同じくらい引かれると考える

③ 決まっていない賞与や残業代は、当てにしない

→ 月あたりの手取りの見込み

※次の仕事は、まだ働いていないので「見込み」です。今の会社で社会保険に入っていない人は、このあと出てくる表の約15%に税金を足した分を、引かれる額の目安にしてください。

今の明細の割合は、ざっくり比べるための目安です。
給料の額や入る保険が変わると、引かれる割合も変わります。
応募先には、提示された給料から保険料などがいくら引かれるかを確かめておきます。
住民税を給料から引かれず自分で払う場合は、その分も差し引いて比べます。

職人の「日給」と、月の手取りはちがう

日給で働く職人は、日給の金額だけでは手取りが決まりません。
ずれる理由は、大きく3つあります。

☔

① 雨・仕事がない日

🧾

② 天引きされる分

🔰

③ 見習いの金額

① 雨の日と、仕事がない日

たとえば日給1万5000円の人が、月に何日出勤したかで比べてみます。

📊 例:日給1万5000円の人が、22日出勤した月と18日出勤した月の給料

22日出勤した月

330,000円

雨や現場の切れ目で、18日しか出勤できなかった月

270,000円 ← 6万円の差

※日給×出勤した日数で計算した、引かれる前の金額です。仕事が少ないなど会社の都合で休まされた日は、原則として休業手当(平均賃金の6割以上)の対象です。雨で休みになった日は、事情で変わります。2026年11月時点の厚生労働省の案内より。

同じ会社、同じ日給でも、月によって6万円の差が出ます。
梅雨や冬、現場の谷間の月まで入れて1年で均すと、いい月の金額よりも下がります。

雨の日、雨マークがいくつも付いたカレンダーを指さすゆうペイ

② 天引きされる分

社会保険のある会社なら、給料から健康保険・厚生年金・雇用保険が引かれます。
給料が月30万円の場合は、次のとおりです。

引かれるもの月30万円の場合
健康保険14,775円
子ども・子育て支援金345円
厚生年金27,450円
雇用保険(建設の会社)1,800円
合計44,370円(給料の約15%)
東京の協会けんぽに入っている40歳未満の人で、保険料を決める基準の額(標準報酬月額)も30万円の場合の例です。2026年10月時点の料率(2026年度)で計算しています。

月30万円の給料でも、保険料だけで約4万4千円が引かれます。
40〜64歳の人は、ここに介護保険が加わります。

💡 自分の金額は、明細がいちばん確実

保険料は、入っている健康保険や、会社のある都道府県で変わります。
さらに所得税と住民税も引かれますが、この2つは家族の人数や前の年の収入で変わります。
自分の金額は、給与明細で確かめるのがいちばん確実です。
自分がどの健康保険に入っているかは、こちらで確かめられます。
👉 自分の健康保険はどれ?職人が見分ける4種類と、辞めたら変わること

③ 見習いのあいだの金額

人から聞く「日給◯万」は、腕のある職人の金額のこともあります。
新しい会社や新しい親方のところでは、仕事を覚えるまで見習いの金額から、ということもあります。

日給が良く見えて移ったのに、雨で休みが多くて、均すと少なかった。
見習いの金額で生活が続かず、元の会社に戻ってきた人もいました。

今の会社で、給料以外に助かっていること

手取りを比べたら、給料以外の条件も見ておきます。
休んでも給料が出る有給休暇や、会社が負担している保険料、道具代などです。
次の仕事でも同じ条件があるか、確かめてください。

🎁 給料以外に、助かっていること4つ

🏥 会社が払っている保険料

毎月42,570円

月30万円・東京・40歳未満の例

🌴 有給休暇

6か月で10日

休んでも給料が出る日

📒 建退共の退職金

12か月分から

会社が納めてくれた日数で決まる

⛽ ガソリン代・道具代

会社持ちなら

自分の出費がその分減る

会社が半分払っている保険料

健康保険と厚生年金は、会社と働く人で半分ずつ払う決まりです(健康保険組合によっては、会社が多く払う場合もあります)。
つまり、明細で引かれているのと同じ額を、会社も別に払っています。
社会保険のない働き方に移ると、この会社の分はなくなり、国民健康保険や国民年金などを自分で払うことになります(入る保険は人によってちがいます)。

有給休暇と退職金

同じ会社に6か月続けて勤めて、出勤日の8割以上出ていれば、有給休暇が10日もらえる決まりがあります(週5日など、ふつうの日数で働いている場合。働く日数が少ない人は、もらえる日数が変わります)。
今の会社で有給を使えているなら、次の仕事でも同じように使えるかを確かめておきます。

💡 辞める前に、建退共の手帳を見ておく

会社が建退共の手帳に証紙を貼ってくれている(電子で納めている会社もあります)なら、それは将来の退職金です。
退職金をもらうには、納めてもらった日数の合計が、原則12か月分(21日で1か月と数えます)以上必要です。
手帳がどこにあって、何日分納められているかを確かめておくと安心です。

辞めるときの手帳の受け取り方や、退職金の目安は、こちらにまとめています。
👉 退職は何日前に言う?辞めさせてくれないときは?職人が辞めると伝える手続き

💭 一人親方の人へ

一人親方には、会社員のような有給や、会社の健康保険・厚生年金がもともとありません。
比べるときは、1年の売上(単価×働けた日数)から、経費・自分で払っている保険料・所得税や住民税を引き、残った額を月あたりに均して使ってください。
これから会社を辞めて一人親方などの個人事業主になる人は、保険・年金・労災が会社員とどう変わるかも確かめておくと、比べる額が正確になります。
👉 個人事業主の保険・年金・労災は会社員とどう違う?職人が辞める前に確かめること

辞めたあとの仕事も、同じ物差しで比べる

今の手取りと給料以外の条件を数えたら、次の仕事も同じ物差しで数えます。
ここでは、ほかの業種への転職と、つなぎの日払いの仕事を比べます。

A ほかの業種に未経験で入る

✔ 求人の月給は、引かれる前の金額

✔ 試用期間と月給の中身を見る

B つなぎの日払い・寮つきの仕事

✔ 寮費や食費が給料から引かれる

✔ 仕事がない日の収入を見る

A ほかの業種に未経験で入る場合

求人に書いてある月給は、天引きされる前の金額です。
月給30万円の求人なら、保険料だけで約4万4千円が引かれます(東京・40歳未満・建設以外の会社で、保険料を決める基準の額も30万円の場合)。
求人票では、次の3つも見ておきます。

  • 試用期間:最初の数か月は、給料や条件がちがう求人もあります
  • 月給の中身:残業代や手当が込みの金額かどうか
  • 休みの日数:雨で休みにならない代わりに、出勤日が決まっている仕事が多いです

B つなぎの日払い・寮つきの仕事の場合

💭

心の声

次が決まるまで、とりあえず日払いで食いつなごう。

勢いで辞めた人が入りやすいのが、この仕事です。
その日のうちにお金が入るのは、たしかに助かります。
ただ、寮つきの仕事では、寮費や食費が給料から引かれます(会社と働く人の代表との取り決め=労使協定があれば、引けることになっています)。

🧮 たとえば、日給1万2000円の寮つきの仕事なら

日給1万2000円 × 20日

240,000円

寮費・食費 1日3,000円 × 30日

− 90,000円

手元に残るのは

150,000円

ここから、さらに保険料や税金を払う

※休みの日も寮費がかかる契約の場合の計算例です。金額は仕事ごとにちがいます。

寮つきの仕事と比べるときは、今の手取りからも家賃と食費を引いて、生活費を払ったあとに残る金額でそろえます。

今の寮を出て部屋を借りるなら、家賃のほかに、最初にまとまったお金がかかります。その数え方と、寮にいるうちの貯め方は、こちらにまとめています。
👉 寮を出たいのに初期費用がない職人へ。部屋を借りるお金の減らし方と、寮にいるうちの貯め方

日払い・前払いの受け取りに、手数料がかかる会社もあります。
金額は会社ごとにちがうので、働く前に確かめておくと安心です。

✅ 次の仕事で確かめる5つ
  • 1年で均した月あたりの手取りはいくらか
  • 社会保険に入れるか(会社が半分払ってくれるか)
  • 寮費・食費・手数料など、給料から引かれるものは何か
  • 仕事がない日や休みの日の収入はどうなるか
  • 有給休暇や退職金はあるか

勢いで辞めた人たちを、隣で見てきた

貯金がないまま辞めると、来月の家賃に間に合う仕事を探すことになります。
そうなると、「今日お金になる仕事」を優先せざるを得なくなります。

🔁 見てきたのは、こういう流れでした

勢いで辞める

↓

貯金が先に尽きる

↓

ここから抜けにくい

日払い・寮つきの仕事に入る

↓

寮費や天引きで手元に残らない

↓

次の仕事を探す余裕がない

↩ また日払いの仕事へ

短期のつもりで入った日払いの仕事から、そのまま抜け出せなくなった人もいました。
元の会社に戻れた人もいましたが、会社が受け入れてくれても、お互いにどこか気を使っているように見えました。

この抜けにくい状態を、このサイトでは「負の安定」と呼んでいます。

☝️悪いのは、辞めた本人ではありません。
お金の準備がないまま辞めると、「今日お金になる仕事」を優先せざるを得なくなる。その仕組みが悪いのです。
だから、辞める前に比べて準備をしておきます。

比べた結果がどっちでも、次にやること

同じ物差しで比べると、結果は2つのどちらかになります。

⚖️ 同じ物差しで比べた結果

↓

次の仕事のほうが、本当に上

→ 次の仕事を決めてから辞める

準備の05(住まいとカード)・06(次の仕事)へ

今の会社も、特別安くなかった

→ 毎月の出費を見直す

準備の07(毎月の出費)へ

次の仕事のほうが本当に上なら

次の仕事で手元に残るお金が増えるなら、移るための準備を進めます。
次の仕事を決めてから辞めると、つなぎの日払い仕事に入らずにすみます。
部屋やカードの審査では、今の勤め先や収入を聞かれます。
引っ越しの予定がある人は、勤めているうちに済ませておくと安心です。

次の仕事を決めてから辞めるための、働きながらの転職活動の進め方は、こちらにまとめています。
👉 転職活動は辞める前?辞めてから?職人が在職中に始めて分かる、自分の値打ち

次の仕事の候補がまだ決まっていない人は、現場の経験と資格を生かせる、建設業以外の仕事の探し方をこちらにまとめています。
👉 職人から異業種へ転職するなら?経験と資格を生かせる仕事の探し方

今の会社も、特別安くはなかったなら

比べてみたら、今の会社の手取りもそう悪くなかった。
そんなこともあります。
その場合は、給料を増やすより先に、毎月の出費を見直すと手元に残るお金が増えます。
スマホ代や保険、車のローンなど、毎月決まって出ていくお金から確かめてみてください。
何から見直すかの順番は、こちらにまとめています。
👉 固定費の見直しは何から?職人が仕事を辞める前に、毎月の支払いを減らす順番
辞めたあと毎月いくら要るかの数え方は、こちらです。
👉 仕事を辞めるなら貯金はいくら?辞めたあと毎月いくら要るか、職人が辞める前に数える方法

どっちに転んでも、比べた時間はむだになりません。
辞める前の準備は7つにまとめているので、できるところから始めてみてください。

👉 辞める前の準備7つを見る

😣 比べずに、勢いで辞めると

・うわさの金額とちがった

・貯金が先に尽きる

・今日お金になる仕事を優先しがち

😊 比べてから動くと

・本当に上の仕事を選びやすくなる

・次を決めてから辞められる

・残ると決めても、家計の見直しに進める

まとめ:辞める前に、同じ物差しで比べよう

  • 物差しは「1年で均した月あたりの手取り」。人から聞いた金額や、いい月の金額で比べない
  • 日給と月の手取りはずれる。雨の日・仕事がない日・天引き・見習いの金額で下がる
  • 給料以外の条件も比べる。会社が半分払う保険料、有給、建退共、ガソリン代や道具代が、次の仕事にもあるか
  • 次の仕事も同じ物差しで数える。求人の月給は引かれる前の金額。つなぎの日払い・寮つきの仕事は、寮費や手数料が引かれる
  • 勢いで辞めると、「今日お金になる仕事」を優先せざるを得なくなりやすい。それが「負の安定」の入口
  • 結果がどっちでも、次にやることがある。辞めるなら次を決めてから、残るなら毎月の出費の見直しから

保険料の率は、毎年のように変わります。
でも、「同じ物差しで比べてから決める」というやり方は変わりません。

☝️今日やることは1つだけです。
給与明細を1枚出して、「総支給」「引かれている額の合計」「手取り」の3つに丸をつける
それが、比べるための物差しの1本目になります。

机の上の給与明細に、赤ペンで3か所丸をつけるゆうペイ

比べてから決めた答えなら、辞めても残っても、自分で選んだ道になります。
まずは明細1枚から、始めてみてください。

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